2011-06-21 陰陽師フロスト IMAGINE 吹雪を裂いて姿を現したのは、丸い悪魔であった。 顔が丸い、身体が丸い、目が丸い。笑みの形に開いた口も丸い。童達が達磨にした雪が、そのまま命を得て歩き出したかのように、丸く白い。夏場の抱き枕にしてみたい、そんなことを思わせる悪魔であった。 「ヒーホー! まだ寝ないホ?」 「う、うむ……それは……」 「まだ眠くないホ?」 「いや、眠くはあるのだが……」 「どっちホ?」 「ね、寝る」 「寝るホ」 「寝るホ」 そういうことになったホ。(参考文献:夢枕獏「陰陽師 太極の巻」他)